1.倫理規定の必要性
不動産鑑定士が、専門職業家として倫理規定が必要な理由は主に2つある。
1つは、その専門において高いレベルの社会的な信頼を促進し維持するためである。
1つは、専門家の行為に関する期待を体系化するためである。
2.倫理規定の構成
倫理規定(CPE)は規範(canons)、倫理規則(ethical rules)、説明的解説(explanatory comments)から成る。専門的鑑定評価実務基準(The Standards of professional Appraisal Practice)はUSPAPとIVSから構成されている。
3.用語の定義
倫理規定で使用される用語の定義はUSPAPやIVSと同様であるが、いくつかの定義は少し変化する。倫理規定で「member」という言葉は、USPAPで「appraiser」と使われ、IVSでは「valuer」と使われる。
Report
レポートとは、書面または口頭による全ての伝達情報(communication)であり、依頼人に伝達されるアプレイザル、アプレイザルレビュー、アプレイザルコンサルティング、不動産コンサルティングサービス等である。
workfile
会員の分析・意見・結論を支えるために必要な書類である。
4.規範
Canon1:会員は鑑定協会、鑑定評価の専門家、国民に不利な行為を慎まなければならない。
Canon2:会員は倫理と基準を持って会員の免許と法令順守に関する役割を遂行し鑑定協会を支えなければならない。
Canon3:会員はサービスを提供する際に分析・意見・結論に偏見のない報告書を作成しなければならない。
Canon4:会員は依頼者との関係で秘密保持に違反してはならない。
Canon5:会員は判断を誤らせる広告をしたり、国民の利益に反する広告をしたり事業に勧誘したりしてはならない。
(上の写真はWhite houseの北側です。南側は次回。)
日本
ちなみに、社団法人日本不動産鑑定協会の例規集を、依頼者である日本国民は見ることはできません。なぜなら、会員専用のページにしか掲載がなく、IDがなければ入れないからです。
そこでは、第6編で倫理に関する諸則があり、倫理規定と懲戒規定が定められています。
その第1条には、会員は、不動産鑑定評価制度の社会的公共的意義を十分理解し、それぞれに課せられた専門職業家としての責任・義務のもとに、的確で誠実な業務活動の実践によって、不動産市場における土地等の適正な価格の形成に資するように努力しなければならない、とあります。
日本では当然の規定です。鑑定士が地価公示でも地価調査でも路線価でも固定資産税でも価格を決定しているからです。
ですが、ちょっと表現に疑問が残ります。
なぜなら、土地価格を形成するのは市場だからです。議論の余地があるかもしれません。
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