3.適用方法
(1)純収益
① 純収益の意義
純収益とは、不動産に帰属する適正な収益をいい、収益目的のために用いられている不動産とこれに関与する資本、労働、経営の諸要素の結合によって生ずる総収益から、資本、労働、経営の総収益に対する貢献度に応じた分配分を控除した残余の部分をいう。
これは、収入の総額からかかった費用の総額を控除すると言うことです。
ある学会で、総収益と純収益を混同して研究発表している方がいましたが、学者の方でさえ時には間違えることもあります。
その計算方法は次の通りです。
② 純収益の算定
対象不動産の純収益は、一般に1年を単位として総収益から総費用を控除して求めるものとする。
ア総収益の算定及び留意点
(ア) 対象不動産が賃貸用不動産又は賃貸以外の事業の用に供する不動産である場合総収益は、一般に、賃貸用不動産にあっては、支払賃料に預り金的性格を有する保証金等の運用益、賃料の前払的性格を有する権利金等の運用益及び償却額並びに駐車場使用料等のその他収入を加えた額とし、賃貸以外の事業の用に供する不動産にあっては、売上高とする。
これは、賃料収入と駐車場収入と看板収入などだけでなく、敷金や礼金を金融機関に預けるなどして得られる利子収入なども不動産の収入ですよ、ということです。
(イ)対象不動産が更地であるものとして、当該土地に最有効使用の賃貸用建物等の建築を想定する場合
対象不動産に最有効使用の賃貸用建物等の建設を想定し、当該複合不動産が生み出すであろう総収益を適切に求めるものとする。
イ総費用の算定及び留意点
対象不動産の総費用は、賃貸用不動産にあっては、減価償却費(償却前の純収益を求める場合には計上しない。)、維持管理費(維持費、管理費、修繕費等)、公租公課(固定資産税、都市計画税等)、損害保険料等の諸経費等を、賃貸以外の事業の用に供する不動産にあっては、売上原価、販売費及び一般管理費等をそれぞれ加算して求めるものとする。
この記述に基づくと、下記のように計算します。
-
支払賃料(+)
-
保証金等の運用益(+)
-
権利金等の運用益及び償却額(+)
-
駐車場使用料(+)
-
減価償却費(-)
-
維持管理費(維持費、管理費、修繕費等)(-)
-
公租公課(固定資産税、都市計画税等)(-)
-
損害保険料(-)
これらの+と-を合計したものが、不動産の純収益です。
しかし、最近の実務では、土地残余法による収益価格は次のように計算します。
-
支払賃料(+)
-
駐車場使用料(+)
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貸倒れ損失(-)
-
空室損失(-)
-
保証金等の運用益(+)
-
権利金等の運用益及び償却額(+)
-
その他収入の運用益(+)
①ここまでの合計が総収益です。
-
減価償却費(償却前の純収益を求めるので計上しません)
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修繕費(-)
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維持管理費(-)
-
公租公課(固定資産税、都市計画税等)(-)
-
損害保険料(-)
-
建物取壊費用積立金(-)
-
その他費用(-)
②ここまでが総費用です。
③建物に帰属する純収益
建物の区体部分と仕上部分と設備部分の割合により、元利逓増償還率を計算し、これを建物の初期投資額に掛けて求めます。
①から②を引いたのが土地建物の純収益で、そこから③を引いたのが土地の純収益です。
これを最終的に還元利回りで還元します。
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