平成22 年10 月1日以後に行う資産の譲渡に伴う売却損が出ても当期に損金にできなくなりそうなので、駆け込みで資産の譲渡が増加し、これに伴って不動産の調査が急増しています。
1990 年代以降、組織再編、連結会計、新会社法など企業の組織形態に関する法制度が整備されてきました。
この中で、平成22 年度の税制改正において、資本に関係する取引等に係る税制の見直しが行われたという訳です。
なお、この記事では、資産の移転に伴い譲渡損が発生することを想定しています。
改正は、
① 100%グループ内の法人間の資産の譲渡取引等
② 100%グループ内の法人間の寄附
③ 100%グループ内の法人間の現物分配
④ 100%グループ内の法人からの受取配当等の益金不算入(負債利子控除)
⑤ 100%グループ内の法人の株式の発行法人への譲渡に係る損益
⑥ 大法人の100%子法人等に対する中小企業向け特例措置の適用の見直し
⑦ 清算所得課税の廃止等
⑧ 連結納税制度
などですが、不動産鑑定士に最も関係があるのは①に関してです。
資産が動けば、必ず鑑定士の出番がやってきます。
その前に、支配についてですが次のようになっています。
(1)支配関係とは、
イ 当事者間の支配関係
一の者(一の法人又は個人)が他の法人の発行済株式又は出資(発行済株式等)の50%超を直接又は間接に保有する関係
ロ 法人相互の支配関係
一の者との間に上記イの関係(当事者間の支配関係)がある法人間の相互の関係
(2)完全支配関係とは、
イ 当事者間の完全支配関係
一の者が法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係
ロ 法人相互の完全支配関係
一の者との間に上記イの関係(当事者間の完全支配関係)がある法人間の相互の関係
親亀の上に子亀が、子亀の上に孫亀が乗っている関係で、
SDカードにたとえるとSD→ミニSD→マイクロSD、みたいな関係です。
例えが悪いですが、、、。
今回の改正の内容では、法人が譲渡損益調整資産を完全支配関係がある他の法人に譲渡した場合に、その譲渡損益調整資産に係る譲渡損失額に相当する金額について、その譲渡した事業年度の所得の金額の計算上、その譲渡損を繰り延べることになっています。
なお、この繰り延べた譲渡損益は、譲受法人に譲渡・償却等の一定の事由が生じた場合には、譲渡法人側でその計上を行うこととなります。
譲渡法人が譲受法人との間に完全支配関係を有しないこととなった場合には、譲渡損益調整資産に係る譲渡損失額に相当する金額は、完全支配関係を有しないこととなった日の前日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することとなりました。
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